スローライフを生きる~入社2年目でうつ病になったHSPの話~

内向的でHSPの気質を持った20代OLのブログ。今は人生の立て直し中。

【なろう系】バカにしてきた人々を見返すカタルシス(3/13追記)

 「小説家になろう」発信のいわゆるなろう系、自分は好きです。軽い文章なので空き時間にサクッと読めるのと、主人公無双なのでハラハラしすぎて疲れることがないのが良い。
 

 

前置き

 

www.jigowatt121.com

 結騎了さんの記事の通り、私もハッピーエンドを約束されないと、辛い物語のトンネルに入るのが怖いタイプです。「良い人は幸せになってほしい」という思いが強いので、普通に良い人がひたすら不幸で終わったり、優しかったサブキャラが死んだりするとめっちゃ凹むんです…。登場人物がたくさん死ぬ作品は、完結して誰が死ぬかわかってないと読めない…。
 とはいえ、制作陣が魂ゴリゴリに削って怒涛の感情の波をこちらにぶん投げてくる生命力溢れた「トンネル」には痺れるほど感動する超大作が多いのも事実。「今の記憶消してもう一度見たい!」と思うこともあるので、避けると勿体ないときもあるんですけどね。

 

 人を見返すカタルシス

 

 話を戻しましょう。「俺TUEEEE」展開ってやり過ぎると、盛り上がりに欠ける単調な話になりがちなんですが、上手くバランスを取った面白い作品もたくさんあります。王道展開はやっぱり人気。

 

  今回ご紹介するのは「軽んじられていた主人公が相手を見返すカタルシスについて。例を上げるとこんな感じ。

f:id:Sasano:20200222225240p:plain

 見下されていた状態から一気にトップに躍り出るのって痛快なんですよね。周囲が驚いて色めき立つほど気持ち良いし、見返してやって気分もスッとする。誰にも多かれ少なかれ、こういう願望はあるんじゃないでしょうか。
 他人への反骨心や怒りって、必ずしも悪いことじゃないと思います。「劣等感は成長に必要なもの」とアドラー先生も言っています。
 そんな不遇状態から駆け上がる、シンデレラストーリーを楽しめる作品をご紹介します。コミカライズ版も良いので是非。

 

おすすめ作品 

「攻略本」を駆使する最強の魔法使い ~<命令させろ>とは言わせない俺流魔王討伐最善ルート~

定番のRPG風ファンタジー世界。勇者がヒャッハーDQN過ぎて笑う。アリアちゃんとの初々しいやり取りにニヤニヤが止まらない

あらすじ

 ワンマン勇者のパーティーの元、魔法使いの主人公・マグナスは実力を発揮できず、不当な扱いを受けていた。無能の烙印を押された挙げ句に解雇されてしまう。ところが「攻略本」を手に入れたことで、彼の人生は一変、己の才を活かす方法を見つけて輝き出す。勇者ではなく、魔法使いが世界を救う快進撃の物語。

 

好きポイント①:ちゃんと他キャラも上げる

f:id:Sasano:20200222230825p:plain

(引用画像:福山松江,舞嶋 大, かかげ『「攻略本」を駆使する最強の魔法使い ~<命令させろ>とは言わせない俺流魔王討伐最善ルート~ 1』スクウェア・エニックス,2019年,125頁)

 主人公が桁違いに強いのは間違いないですが、それだけじゃなく、他キャラの見せ場も良いところもきっちり描写されます。
 私が好きなのはエンゾ村のメルちゃんを救うエピソード。同行したキャラの勇敢さを描写するし、マグナスもみんなの前で「こいつが頑張ってくれたんだ!」とちゃんと言う。こういうの大事。主人公の好感度も上がりますし、他キャラ含めて作品全体が好きになれます。あと、こういう男女お姉さん大好きやで…!

好きポイント②:主人公がヒロインに一途&初々しい

f:id:Sasano:20200222230210p:plain

(引用画像:福山松江,舞嶋 大, かかげ『「攻略本」を駆使する最強の魔法使い ~<命令させろ>とは言わせない俺流魔王討伐最善ルート~ 1』スクウェア・エニックス,2019年,89頁)
 ヒロインに一途、これはとても重要です。めちゃくちゃ重要です。個人的にハーレムものの主人公の曖昧な態度にイラッとくることが多くて…。「こんな可愛い子に好かれてんのに、うだうだ気を持たせるようなことやっては別の女とイチャイチャしやがって!あっちこっちに唾つけて、とりあえずキープって腹か!?オォン!?」ってキレそうになるんですわ。

 マグナスはその辺が潔白でとても良い。ヒロインのこと大好きで大事にしてるので、私の好感度爆上がり。「女の子とデートとか初めてだ!何着てけば良いんだ!?緊張する…!でも楽しみ!」って年相応にドキドキしているのも可愛らしい。ヤレヤレ系やクールに構えてる男より、私は断然こっちが好きです。素直に弱いところを見せてくれる人のほうが信用できる理論。マグナスとヒロインのデートシーンなんて、微笑ましいったらないですからね。これは応援しますわ。

 

 何と言っても、主人公に好感が持てる作品。攻略本を手に入れても謙虚で他者への敬意を忘れないところ、恋愛に不慣れで初々しい反応をするところ、情が厚くて、でも感謝されると恥ずかしくなるところ…人間味があって大好きです。

乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です

 乙女ゲーム世界への転生ってよく見かけるんですが、これは男主人公(モブ)&バトル要素強めで異質な感じ。悔しいことにマリエのキャラデザが1番好みだ…

乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 1 (GCノベルズ)

乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 1 (GCノベルズ)

 

 あらすじ

 妹に無理やりやらされた乙女ゲー世界へ転生した主人公・リオン。モブとして無難に学園生活を送っていたが、何かおかしい。設定と違うヒロインの状況、知らないキャラクター、徐々にズレが生じるシナリオ…。あるイベントを皮切りに、リオンはメインキャラクターの前に躍り出る。モブに厳しい世界で、モブを止めた主人公の行く末は?

 

好きポイント①:小憎たらしいゲス主人公、でも嫌いじゃない

f:id:Sasano:20200222232024p:plain

(引用画像:三嶋 与夢, 潮里 潤, 孟達『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 02』KADOKAWA,2019年,71頁)

 上記の魔法使いの主人公と真逆。いやぁ、本当にゲスい。ゲス過ぎて気持ち良い笑。いちいち煽りがネチネチ長ったらしくてイラッとさせるのが上手いのなんの。彼がゲスでも全然許せるのは、攻略対象のメインキャラクターの男共が酷すぎるから。こんなに現実が見えてないバカなのは、クソゲー世界だからか、ある人物のせいなのか。
 恐ろしく女尊男卑と身分格差が酷いこの世界で、主人公たちモブ男子の扱いはド底辺。一方カースト最上位の攻略対象様はちやほや特別扱いでやりたい放題。そりゃあ鬱憤も溜まりますわ。メインキャラたちのメンタルが、リオンにボッコボコにされていく様はちょっとスッとする。

 まぁ、ゲスとは言ってもリオンは心根は優しいし、しっかり考えてますからね。
好きポイント②:絶対に「さすが主人公!」とならない

f:id:Sasano:20200222233139p:plain

(引用画像:三嶋 与夢, 潮里 潤, 孟達『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 02』KADOKAWA,2019年,87頁)
 俺TUEEEしますが、主人公含め全員が完全にチートアイテムのおかげと認めています。またゲスな性格のせいで敵が多い多い。学園中の生徒に嫌われていて、どれだけ活躍しても称賛されない不憫さ。出てくるモブ女子も性格が酷いのばっかりなんで、リオンを理解してくれる女の子2人の可愛さが際立ちします。

 

 全体的に、バランスが取れてるんですよね。主人公がゲスで俺TUEEEしても、そうしたくなるだけの理由がよくわかる、普段の扱いの酷さ。生徒全員から嫌われているけど、性格の良い美少女が2人もそばにいてくれる。日々不遇だからこそ主人公無双もスッとするし、ヒロインたちと良い感じになっても他からは嫌われてるから許せる…みたいな笑。 

 

2020/3/13追記

 あの、出版で加筆修正された留学編を読んだんですけどね?

 マリエがくっっっっっっっっっそ可愛い。

  もともとロリ系の女の子が好きな私。マリエのキャラデザは大変好みだったのですが、キャラクターもめちゃくちゃ良いじゃないかくそう。もしかしたら1番好きかもしれない。マリエが出てくるとそれだけでワクワクする。悔しい…悔しい…!

 

 以上、間逆な主人公2人の作品でした。今後増やしていくかもです。