【頑張らない生き方にも目を向けて欲しい】「底辺声優の所感」を読んだ所感
Twitterのトレンドに入っていて、泉水みちるさんのこちらの記事を読みました。
私がこれを読んで真っ先に感じたのは「うつを悪化させたときの私に似ている」です。
この方はすごく真面目で、自分に厳しくしてしまう人なのだと思います。
批判している人がいるけど、実になるかわからない不安を抱えながら、生活を投げ売ってでも夢に向かう覚悟と、それを6年以上も続けた根性は相当なものですよ。
私はそんな勇気がなくて、早々に現実へ自分をすり合わせた結果、自分にとっての幸せが見えなくなりましたからね。
彼女は声優を諦めたけれど、夢を諦めるにもすごく勇気がいる。諦めてしまったら、今までの自分の努力や時間が全て無になるかもしれないから。その恐怖に打ち勝って彼女は決断し、具体的な行動にも出てる。素晴らしいことだと思います。
ただ、ひとつだけ気になったのが、もう次の行き先を決めてしまっていること。
これがすごく私と被りました。迷走して体調を崩したときの私と、同じ道を辿っているように感じたんです。
私は復帰面談で会社に行きたくない気持ちがぶり返して、「もう会社にはいられない」と思いました。今の会社を辞めるためには、次の目的地(転職先)を作らないといけない。私はさっさと悩みから開放されたくて、「私が次にやりたいのはこの仕事!」と自分に思い込ませて躍起になって転職活動しました。その結果が病気悪化です。
頑張り続けてきた人間って、「頑張っている状態」に安心感を覚える傾向があって、何かをやめようと思ったら「次の頑張ることを見つけないと」って焦ってしまうんですよ。
頑張ってる自分=良い自分
頑張ってきたことを止める自分=ダメな人間
こんな式が出来上がってて、早く良い自分にならなきゃって思っちゃうんです。
彼女はまだこの式図から抜け出せていないような気がします。
学問が楽しいのは良いこと。誰もが夢を見れる社会を作りたいという目標も素晴らしい。
ただし、やりたいことを仕事に直結させると、めちゃくちゃ苦しくなるんですよ。生活基盤となる仕事に夢を乗っけると、一気に身動きが取りにくくなるんです。別の夢ができたり、向いてないって気づいても、生活がかかってる仕事は簡単に方向転換できないから。
自分のことって自分でもわからないし、トライ&エラーを繰り返して自分にとっての最適を見つけていくしかないと思うんです。で、人生をかけて試行錯誤するのは容易じゃない。
だから、まずは副業や趣味という形でトライするのが良いと思うんです。
利益を求めずに「とりあえずやってみる」「違うなと思ったらすぐ止める」っていうお手軽さが、挑戦には必要だと思うんです。
私はうつ病になって悩み抜いて、この結論にたどり着きました。
自分が思っていたよりも、世界はもっと開けていて、選択肢は無限にあって、自由にやってみていいんだって思えて、すごく楽になったんですよ。
彼女はまだ、仕事=自己実現の枠組みに囚われているんじゃないのかな、と思います。
彼女の目標は非常に立派なのだけど、それを達成する方法って、思っていたよりもいろいろな形があって。それこそ彼女が新しい道を開拓できるかもしれない。何者にもなれなかったと言うけれど、「学者」という名前のあるものだけじゃなく、名前のないものにも目を向けて欲しい。
今までずっとずっと頑張り続けてきたんだから、一旦先のことを考えるのは休んで、純粋に好きなこと、全くお金にならないような、無駄と思えることでも、心の赴くままにやってみて欲しいなって思います。気負わずに、ゆるく。
問題提起がしたいなら、今始めたブログでどんどんやってみて欲しいし、学問が楽しいのなら、その楽しさをブログで伝えたり、Youtubeで解説動画とか上げても面白いと思います。趣味や副業で自己実現するという選択肢には、「肩の力を抜いて取り組める」という最大のメリットがあるんです。真面目な人ほど、このメリットにとてつもない安心感を覚えられると思う。
今はようやく声優を諦める覚悟がついたばかりで、様々な人の意見に振り回されてる最中だと思います。(善意からのアドバイスって、納得行かなくても無碍に出来なくてすごーく振り回されちゃうんですよね…)どんなにためになる意見だったとしても、それを受け入れる準備が整ってないと受け止められないものです。
だから私が今の彼女に何か言うとしたら、これだけ。
まずはゆっくり休んで、それからにしませんか。
探さなくてもそのうち見えてくるから。
好きなこと、楽しいことをたくさんして、心に栄養をあげてください。
偉そうですみません。書かずにはいられなかった。